はじめに
会いたくても、すぐには会えない。
- 仕事の都合で
- 留学や単身赴任で
- さまざまな事情で
大切な人と遠く離れて過ごす――。
遠距離恋愛・遠距離パートナーシップは、
寂しさや不安と向き合う繊細な時間でもあります。
「この距離に耐えられるだろうか」
「気持ちが離れてしまうんじゃないか」
そんな葛藤に揺れること、ありますよね。
アドラー心理学は、
「本当のつながりとは、物理的な距離ではなく、心のあり方で決まる」
と教えています。
ここでは、遠距離パートナーによく起こる3つの葛藤をもとに、
アドラー流のあたたかい寄り添い方を一緒に考えていきましょう。
1. 会えない寂しさに押しつぶされそうなとき
◇こんな気持ち、抱えていませんか?
「声は聞けるけど、抱きしめてもらえないのがつらい」
「画面越しじゃなく、隣にいてほしい」
どんなに連絡を取り合っても、
埋められない寂しさが心に積もっていくこと、ありますよね。
◇アドラー心理学での見立て
アドラー心理学では、
**「感情は悪者ではない」**と考えます。
- 寂しさを感じるのは、愛している証
- それは弱さではなく、自然な人間らしさ
だからこそ、
無理に我慢したり否定したりせず、
寂しさに優しく寄り添うことが大切です。
◇あたたかい解決アプローチ
【ステップ1】「寂しい」と素直に伝える
強がらずに、
「本当は寂しいよ」
と素直な気持ちを伝えましょう。
相手に負担をかけるのではなく、心を開く勇気です。
【ステップ2】「一緒にいられない時間」を肯定する
「この時間も、ふたりが未来のために必要なものなんだ」
と捉え直してみましょう。
離れている時間も、関係を育てるための大切な時間です。
【ステップ3】小さな「一緒」を積み重ねる
- 毎日の一言メッセージ
- 同じ時間に空を見上げる
- お互いの近況を写真で共有する
小さな「つながり」を日常に積み重ねていきましょう。
2. 相手の気持ちが見えずに不安になるとき
◇こんな気持ち、抱えていませんか?
「最近、連絡が少なくなった気がする」
「本当にまだ自分を想ってくれているのかな」
距離があると、
相手のちょっとした変化にも敏感になり、
不安が膨らんでしまうこと、ありますよね。
◇アドラー心理学での見立て
アドラー心理学では、
「他者の課題」と「自分の課題」を分けて考えることが大切だとされます。
- 相手が何を感じ、どう行動するかは相手の課題
- 自分がどう向き合うかは自分の課題
この線引きを持つことで、
過剰な不安に飲み込まれず、
自分の心を守ることができるのです。
◇あたたかい解決アプローチ
【ステップ1】相手の態度を「全否定」しない
連絡の頻度や態度が変わったとしても、
すぐに悲観しないで。
「忙しいのかも」
「今は自分のことで手一杯なのかも」
と、広い視野で受け止めてみましょう。
【ステップ2】自分の不安を冷静に見つめる
不安に飲まれそうになったら、
深呼吸して、
「私は今、不安なんだね」
と自分の気持ちを認めるだけで、心が少し落ち着きます。
【ステップ3】「信じる」という選択をする
疑うことは簡単です。
でも、
「この人を信じよう」
と決めることは、あなた自身を強くします。
信じることでしか育たない絆も、きっとあります。
3. 未来への不安に押しつぶされそうなとき
◇こんな気持ち、抱えていませんか?
「この遠距離が、いつまで続くんだろう」
「本当に一緒になれる未来が来るのかな」
今だけでなく、
先が見えないことにも、
大きな不安を感じること、ありますよね。
◇アドラー心理学での見立て
アドラー心理学では、
**「未来はコントロールできないが、今を選び取ることはできる」**と考えます。
- 未来を過剰に恐れず
- 不安に飲まれず
- 今できることを、大切に積み重ねる
それが、未来への最善の準備になります。
◇あたたかい解決アプローチ
【ステップ1】今できる「小さな約束」を大切にする
- 次に会う日を決める
- 一緒にやりたいことをリストアップする
小さな未来の約束が、心を支えてくれます。
【ステップ2】一緒に「未来を描く」時間を持つ
- 1年後、どこにいたいか
- どういう暮らしをしたいか
少しずつでいいので、
未来のビジョンを共有していきましょう。
【ステップ3】「不安な未来」ではなく「希望の未来」を信じる
未来には不安もあるけれど、
同じくらい、希望もあります。
「きっと、大丈夫」
そんな小さな希望をふたりで育てていきましょう。
まとめ
遠距離パートナーシップは、
- 距離に負けそうになったり
- 不安に押しつぶされそうになったり
そんな繊細な旅かもしれません。
でも、アドラー心理学は教えてくれます。
- 本当の絆は、
- 物理的な距離ではなく
- 心のあり方で育つものだと。
今日、
- あなたが送った一通のメッセージも
- 相手を想った静かな祈りも
- 会えない時間に育てた信頼も
すべてが、ふたりの関係を温かく支えています。
焦らず、無理せず、
ふたりだけのペースで、歩いていきましょう。