実践的理論

【実践4】課題の分離 (Separation of Tasks)

1. はじめにアドラー心理学が日本で大きく注目を集めるようになったきっかけの一つに、『嫌われる勇気』で紹介された「課題の分離」があります。これは、対人関係における無用な干渉や摩擦を減らし、お互いが自分の責任を引き受ける健全な関係を築くための...
実践的理論

【実践3】勇気づけ (Encouragement)

1. はじめにアドラー心理学の実践において、非常に重要なキーワードの一つが「勇気づけ (Encouragement)」です。アドラーは、人が成長し、より建設的な行動を取るためには、“罰”や“報酬”だけで動かすのではなく、**「相手の能力や価...
実践的理論

【実践2】共同体感覚 (Community Feeling)

1. はじめにアドラー心理学では、「人間のあらゆる悩みは対人関係のなかで生まれる」とされます。そこから導かれるキーワードが「共同体感覚 (Community Feeling)」です。共同体感覚とは、「自分が属する社会や周囲の人々とのつながり...
実践的理論

【実践1】ライフスタイル (Life Style)

1. はじめにアドラー心理学において「ライフスタイル (Life Style)」は、非常に重要な概念の一つです。一般的に「ライフスタイル」と言えば、洋服の趣味や食生活、余暇の過ごし方などを指すことが多いですが、アドラーが言う「ライフスタイル...
基礎理論

【理論5】自己決定性 (Self-determination / Creative Self)

1. はじめにアドラー心理学では、「人間は環境や過去に決定されるのではなく、自らの意思によって選択し、行動している」という**自己決定性(Self-determination)**が強く主張されます。これは、原因論的な視点とは大きく異なるア...
基礎理論

【理論4】社会的文脈の重視 / 対人関係論 (Social Embeddedness)

1. はじめにアドラー心理学では、「人間の悩みはすべて対人関係の悩みである」と言われるほど、社会的文脈(Social Embeddedness)や対人関係が重視されます。フロイトの精神分析が個人の内面(無意識や欲動)を主な焦点に据えたのに対...
基礎理論

【理論3】認知論 (Subjective perception) / 私的論理 (Private logic)

1. はじめに「認知論」または「私的論理(private logic)」は、アドラー心理学における中心的な考え方のひとつです。私たちが日常的に抱く「自分はこうだ」「世界はこんなものだ」といった信念や思い込みは、決して客観的な事実そのものだけ...
基礎理論

【理論2】全体論 (Holism)

1. はじめにアドラー心理学を特徴づける概念として、「全体論(Holism)」があります。日本語では「人間を分割できないまとまりとしてとらえる」という意味で紹介されることが多いです。人間を「身体」「精神」「知能」といった複数の部分に切り分け...
基礎理論

【理論1】目的論 (Teleology)

1. はじめにアドラー心理学を理解するうえで欠かせない概念のひとつが「目的論」です。一般的には、人間の行動や感情を「過去の原因」によって説明しようとする流れが強いなか、アドラーは真逆ともいえる「未来の目的」に注目しました。これはフロイトが主...