はじめに
- 苦手科目を克服したい
- 志望校合格を目指したい
- 自分の力をもっと伸ばしたい
そんな思いを胸に通ってくる受講生たち。
それを支えるのが、塾講師の役割です。
でも、
- 成績がなかなか伸びなかったり
- 生徒との温度差に悩んだり
- 信頼関係を築く難しさを感じたり
教育の現場では、想像以上に繊細な課題が生まれることもありますよね。
アドラー心理学は、
どんな教育の場面でも大切なのは
**「対等な横の関係」と「勇気づけ」**だと教えています。
ここでは、塾講師と受講生の関係でよく起こる3つの葛藤をもとに、
アドラー流のあたたかい寄り添い方を一緒に考えていきましょう。
1. 成績や結果に焦りすぎてしまうとき
◇こんな気持ち、抱えていませんか?
講師:「結果を出させないと、期待に応えられない…」
受講生:「頑張ってるのに、なかなか成果が出ない」
- テストの点数
- 模試の順位
短期的な結果に一喜一憂してしまうこと、ありますよね。
◇アドラー心理学での見立て
アドラー心理学では、
**「結果ではなくプロセスを重視する」**考え方を大切にします。
- どれだけ努力したか
- どれだけ挑戦したか
そこに価値を置くことで、
受講生の自信とやる気を育てることができるのです。
◇あたたかい解決アプローチ
【ステップ1】プロセスの努力を具体的に認める
「毎日コツコツ頑張っているね」
「前よりずっと集中力がついてきたね」
と、行動そのものに注目しましょう。
【ステップ2】小さな成功体験を一緒に積み上げる
完璧な結果ではなく、
- 解けた問題が増えた
- ミスが減った
など、小さな進歩を喜び合いましょう。
【ステップ3】長期的な目標を一緒に描く
短期の結果に焦るのではなく、
「どんな未来を目指したいか」
を一緒に語り合い、モチベーションを育てましょう。
2. 受講生との温度差に悩むとき
◇こんな気持ち、抱えていませんか?
講師:「やる気を引き出したいのに、本人に熱意がない」
受講生:「やらなきゃいけないのはわかるけど、気持ちがついていかない」
- 教える側の熱意と
- 学ぶ側のテンション
そのギャップに戸惑ったり、
焦ったりしてしまうこともありますよね。
◇アドラー心理学での見立て
アドラー心理学では、
「動機づけは強制ではなく、内側から生まれるもの」
と考えます。
だからこそ、
- 無理に引き上げるのではなく
- 本人の内発的な動機を育てるサポートが必要なのです。
◇あたたかい解決アプローチ
【ステップ1】本人の「なりたい姿」を一緒に探す
- 合格したい
- 得意になりたい
- 誰かを喜ばせたい
どんな小さな理由でもいいので、本人の「やりたい」気持ちを探しましょう。
【ステップ2】努力する意味を一緒に考える
「なぜ今、頑張るのか?」を一方的に説得するのではなく、
対話を通じて引き出していきましょう。
【ステップ3】進めるペースは本人に合わせる
焦らず、
本人が無理なく進めるペースを尊重しましょう。
それが長く続くやる気につながります。
3. 生徒との信頼関係が築けないとき
◇こんな気持ち、抱えていませんか?
講師:「距離を感じる…心を開いてくれていない気がする」
受講生:「怒られたら嫌だなと思うと、質問できない」
- 萎縮したり
- 遠慮したり
そんな空気が流れると、
せっかくの学びのチャンスが活かせなくなってしまいますよね。
◇アドラー心理学での見立て
アドラー心理学では、
「信頼は一方的に差し出すもの」
と教えます。
- 生徒から信頼されるのを待つのではなく
- まずこちらが信じ、尊重し、寄り添う
その勇気が、固くなった心をほぐしていきます。
◇あたたかい解決アプローチ
【ステップ1】「ミスしても大丈夫」と伝える
間違いや失敗を責めず、
「挑戦できたことが素晴らしい」
と勇気づけましょう。
【ステップ2】小さな対話を重ねる
勉強以外のちょっとした雑談――
- 趣味の話
- 最近楽しかったこと
そんな会話を積み重ねることで、心の距離が縮まります。
【ステップ3】教える側も「完璧」を手放す
わからないときは素直に認め、
一緒に考えるスタンスを大切にしましょう。
「一緒に成長している」という空気を作れたら、信頼は自然に育ちます。
まとめ
塾講師と受講生の関係は、
- 教える側と教わる側という枠を超えて
- ともに学び、成長していく絆です。
アドラー心理学は教えてくれます。
- 結果だけにこだわらず
- 本人の可能性を信じて
- 勇気づけ合いながら歩むこと
それが、
未来を育てる本当にあたたかい教育関係をつくる道だと。
今日、
- 小さな頑張りを見つけて伝えること
- 小さな「できた!」を一緒に喜ぶこと
そんな一歩が、
受講生たちの未来を大きく輝かせる力になります。