はじめに
気づいたときには、もう隣にいた。
- 同じ通学路
- 同じ遊び場
- 同じ秘密を分かち合った仲間
幼なじみは、
- きょうだいでも
- 親友でも
- 恋人でもない、
特別な距離感を持った存在です。
でも、大人になるにつれて、
- 価値観が変わったり
- 道が分かれたり
- それぞれ違う人生を歩み始めたり
その微妙な変化に、戸惑うこともありますよね。
アドラー心理学は、
どんな人間関係も、
**「対等な横の関係」と「課題の分離」**をベースに、
変化を受け入れながら育てていくことが大切だと教えています。
ここでは、幼なじみとの関係でよく起きる3つの葛藤をもとに、
アドラー流のあたたかい寄り添い方を一緒に考えていきましょう。
1. 成長するにつれて話が合わなくなったとき
◇こんな気持ち、抱えていませんか？
「昔は何でも話せたのに、今は話題が合わない」
「価値観が違いすぎて、どう接したらいいかわからない」
大人になると、
- 環境も
- 趣味も
- 生き方も
どんどん違っていきます。
それを「さみしい」と感じることもありますよね。
◇アドラー心理学での見立て
アドラー心理学では、
人はそれぞれ
**「自分の人生課題を選び、成長していく存在」**だと考えます。
つまり、
- 違って当たり前
- 無理に同じである必要はない
そんなふうに、変化を自然なものとして受け止める視点が必要なのです。
◇あたたかい解決アプローチ
【ステップ1】「同じでいなきゃ」を手放す
かつての共通点にしがみつかず、
「今のあなたも、今の私も、それぞれ素敵」
と、変化を受け入れましょう。
【ステップ2】新しい共通点を探してみる
- 最近ハマっていること
- 新しい趣味
- 興味のある話題
今の自分たちが交われる場所を、柔らかく探してみましょう。
【ステップ3】「無理に親密さを維持しない」勇気を持つ
少し距離ができても、
それで友情が消えるわけではありません。
お互いの人生を尊重することも、立派な友情のかたちです。
2. 距離ができたことに罪悪感を感じるとき
◇こんな気持ち、抱えていませんか？
「もっと連絡を取るべきだったかな」
「忙しさにかまけて、疎遠にしてしまったかも」
- 忙しい日常
- 住む場所の違い
- 生活スタイルの変化
そんな中で、
幼なじみとの距離ができると、
ふとした瞬間に、罪悪感が押し寄せることもありますよね。
◇アドラー心理学での見立て
アドラー心理学では、
**「他者の期待に縛られないこと」**が、健やかな人間関係には欠かせないと考えます。
- 頻繁に連絡を取り合う＝良い友情
ではありません。
友情とは、
お互いの自由を認めながら、静かに続いていくものなのです。
◇あたたかい解決アプローチ
【ステップ1】「疎遠＝失敗」ではないと捉える
会う頻度や連絡頻度で、
友情の価値を決めないようにしましょう。
「静かでも、続いている」
そんな関係も素敵です。
【ステップ2】「今、できること」を素直にする
- ふと思い出したら連絡する
- たまには小さなプレゼントを送る
そんな小さなアクションで、また心はつながります。
【ステップ3】過去を責めず、今を楽しむ
「あのころは楽しかったね」
「また会えたらうれしいな」
そんなあたたかい気持ちで、今の関係を楽しんでいきましょう。
3. 幼なじみへの嫉妬や劣等感に苦しむとき
◇こんな気持ち、抱えていませんか？
「幼なじみは順調なのに、私はうまくいってない」
「いつの間にか比べて、落ち込んでしまう」
かつては横並びだった存在。
それだけに、
大人になってからの違いが、
時に、心に影を落とすこともありますよね。
◇アドラー心理学での見立て
アドラー心理学では、
他者との比較をやめ、自分の人生を歩むことを目指します。
- 誰かより上でも下でもない
- 自分は自分の課題に取り組んでいるだけ
この感覚を育てることが、
嫉妬や劣等感から自由になる鍵です。
◇あたたかい解決アプローチ
【ステップ1】比べたくなる気持ちを否定しない
「比べたくないのに比べちゃう」
そんな自分を責めなくて大丈夫。
まずは、
「そう感じてもいいんだ」
と受け止めましょう。
【ステップ2】自分の課題に集中する
- 何を大切にしたいのか
- どんな未来を目指したいのか
自分自身に問いかけ、
自分の道に目を向けていきましょう。
【ステップ3】相手の幸せを祝福できたら、そっと祝う
心からでなくても大丈夫。
小さな気持ちでいいから、
「よかったね」
と祝福できたとき、
あなた自身の心も、少し軽くなります。
まとめ
幼なじみとの関係は、
- 変わってもいい
- 距離ができてもいい
- それでも、心のどこかでつながっている
そんな、自由であたたかい絆です。
アドラー心理学は教えてくれます。
- 無理に縛り合うのではなく
- お互いの自由を尊重しながら
- 自分も相手も、大切にしていくこと
それが、
「変わっても変わらない友情」
を育てていく道なのだと。
今日、ふと思い出したら、
そっと連絡してみましょう。
きっとその一言が、また新しいつながりを生み出します。
次回は【同級生】について、
過去を共有する仲間との関係をアドラー心理学から見つめていきます。
